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母の入院

2013.04.08 18:32|死生観
monitor.jpg


先日、母は右膝に人工関節を入れるため入院した。若い頃からの無理がたたり、母の身体はボロボロで、昨年の右肩の手術から1年も経たないうちに、また入院することになってしまった。幸い手術は無事成功し、1週間以上経過した現在は、歩行補助具を使って、ゆっくりではあるが歩けるまでに回復した。

昨年の今頃は、僕はようやく寝たきりから少し回復し歩けるようになり、毎日、車で入院中の父を見舞っていた。1年経って、今度は見舞う対象は母に変わったが、相変わらず病院に通い続ける日々を過ごしていることは、何とも言えない気分だ。

不幸かと問われれば、必ずしもそうではない。昨年の父は、もう決して戻ることのできない、「死」というこの世での終着駅へ向かっての歩みだったため、それを見続ける日々は、苦しくて悲しくて、とても辛かった。

しかし母は、長年苦しんだ膝の痛みを解消するための手術を受ける入院であり、日に日に回復へと向かっている。その点では、昨年、父を見舞っていた時とは、大きく状況は違う。

手術直後は高熱と激しい痛みに苦しんでいた母だが、日を追うごとに顕著に回復し、現在は4人部屋に移り、補助具を使って病院内を歩き回るなど、リハビリに励んでいる。当初の苦しそうな表情が今は消え去り、笑顔が戻った。そんな母を見ると、息子として心から安心する。

ただ、手術直後は、母は心拍数・血圧などを表示するモニターに繋がれていた。そのモニターを見た時、少し胸が苦しくなった。

というのも、以前、本ブログの記事「父の最期」で書いたように、父の死の直前、僕はずっとこのモニターで父の命の動きを見つづけた。そして、最期を迎える時にモニターが発するあの音。それは永遠に僕の耳から消え去ることのない、僕と母に父の死を告げた音だ。父の死を突きつけた忌まわしい音であると同時に、この世のあらゆる苦しみから父を解放してくれた、次の世界からのお迎えの合図の音のようにも思われる。

今回の母の手術は、通常、命にかかわるようなものではなかった。それでもあのモニターを見た時、ひょっとして母までこの世からいなくなってしまうのでは、という恐怖に襲われたことは確かだ。

母は間違いなく回復するであろうし、長年苦しんだ右膝の痛みからも解放されるだろう。それは嬉しいことなのだが、今回の手術によって、父同様、母もいつかは僕のもとを去るのだという現実を思い知らされたような気がした。それが世の習いとはいえ、その日はできるだけ遠い将来であって欲しいし、彼女が心安らかに暮らせるよう、できるだけのことをしてあげたい。

順調に行けば、今月末にも退院予定の母ではあるが、若い頃からずっと続けてきた、父の退職後は、二人で共に取り組んできた畑作りは、おそらくもうできないだろう。働き者の母のこと、無理してでも大根なり、白菜なりを育てようとするかもしれない。それが適度な運動となり、彼女の健康にプラスの作用を与えるなら悪くはない。

ただ、彼女は左肩、左膝にも痛みを抱えていることを考えれば、それをあきらめさせるのが僕の仕事なのかもしれない。何といっても母には、まだまだ長生きしてもらわなければならないのだから。

僕の身体は相変わらずあまり良くない。膝から下の痛み・痺れは、波はあるものの回復の兆しが見られないし、指先の痺れも取れない。そんな僕だから、母がやりたいと思うことを十分にはサポートできないかもしれない。

それでも、泣いたり笑ったりしながら亡き父のことを語り合える存在は、この世では、僕にとっては母しか、母にとっては僕しかいない。大したことはできないが、母が幸せな最期を迎えるその日まで、息子の務めを果たすだけだ。

そんなことを考えながら、毎日、母を見舞っている。父が亡くなった病院で母と話していると、どこかで父が僕らを見守ってくれているような気がする。そう、生前と変わらぬあの優しいまなざしで。


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